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高山は綿棒発祥の地!「日本初の綿棒を作った会社」平和メディク株式会社社長インタビュー

anoina 飛騨人インタビューVol.1/飛騨の経営者に聞く!
平和メディク株式会社
代表取締役社長 黒川友博さん

飛騨地域にある素敵な企業や熱い経営者から、飛騨地域の方へ向けメッセージを伝えていただくコンテンツです。第1回は高山市下切町に本社を構える<平和メディク株式会社 代表取締役社長 黒川友博氏>にお話を伺いました。コロナウイルスによる混乱が続く中、マスク等の衛生用品を製造する平和メディク株式会社はどのような想いをお持ちなのでしょうか?

日本初の綿棒は、飛騨高山で生まれた。

平和メディク株式会社の黒川友博と申します。弊社は綿棒やマスク、ウエットティッシュなどの衛生用品を製造しており、製品は家庭用から医療用まで多岐にわたります。また、コロナウイルスPCR検査用の医療用スティックも弊社が製造しております。お陰様で、昨年2020年に創業55周年を迎えました。

創業者は僕の祖父です。祖父は小さな木工所を営んでいましたが、体が弱く、病院に行く機会が多かったそうです。当時はまだ既製品の綿棒がなく、病院では看護師さんが針金に綿を巻いて綿棒のようなものを手作りしていました。その様子を目にした祖父は、自身の木工所にある木を削る技術(爪楊枝など細い棒状のものを作る技術)を活かし、木に綿を巻きつけることで安全に綿棒を作ることができるのではないかと考えました。そこで、綿棒を作る機械の開発から始まり、試行錯誤を経て誕生したのが現在の綿棒の原型となったものです。つまり、日本初の綿棒は高山生まれなんですよ。

PCR検査に使用する植毛綿棒

社長として大事にしていること「現場を知る」そして「楽しむ」

僕は創業者家系に生まれ30代で社長となったため、現場のことは知らない若い経営者だと思われがちです。しかし、前社長である父からの「3日後に中国へ行け」とか、「すぐにベトナムに行って子会社(現地法人)を作ってきてほしい」なんていう無茶振りはしょっちゅうで、その都度必死でした。

現地ではお湯が出ないような古いレンガ造りの建物に住み、通訳者やコーディネーターもいない中、現地の方と人間関係を築くことから始めなければならないことがほとんどでした。なかなかハードな環境で・・・もちろん、うまくいかない状況や大変な時もありましたよ。でも、自分の性格なのか「大変だな、どうしよう」と思うのは一瞬で、次の瞬間からは「どうやってこの状況を変えよう、どう問題を解決しよう」という考えに思考が切り替わるんです。海外で言葉がわからなくても、「とりあえずやってみよう」「できることをしながら考えよう」と思っていました。

もしかしたら、こういった性格は黒川家の特徴とも言えるかもしれません。創業者である祖父は自身のアイディアをもとに機械開発から始めましたし、会社の海外展開を決め販路開拓を担った父(現会長)にも悩みはあったはずです。それでも「とりあえずやってみよう」という考えで進み、自ら現場を見て、経験し、手足を動かした。現場の声を聞こう・現場を見て動こうとする感覚は自分も同じなので、血筋かなと思います。大変な状況を大変だと思っているだけでは何も進みませんが、なんとかして前進させなければならないと思うと「大変だけど面白いな」「なかなか楽しいぞ」という感情が湧いてくるんです。この「楽しむ」という感情は自分の中でとても大切で、何事も面白く楽しくしたいといつも思っています。

日々の仕事も楽しみたいため、社員とも冗談を言い合ったり、友達のような感覚で接することがよくあります。時には社長らしくないなんて言われますが、いかにも社長です!といった堅苦しい雰囲気で振舞うのはどうも苦手で。若い社員からも親しみやすい存在でいたいですし、社員にも「仕事は楽しい」と思ってもらえたら嬉しいので、壁を作らないようにしています。

さまざまな製品

コロナ禍で考えた、社員と高山のこと。

最近はコロナウイルスの影響でマスクや医療用綿棒、ウェットティッシュ、PCR検査用綿棒の需要が大幅に増え、忙しい日々を過ごしています。良い製品を皆様に届けることが私たちの使命ですので、社員総出でなんとか需要に応えたいと思っています。

社員は皆とても忙しいと思うのですが、一生懸命働いてくれています。社長としてすごくありがたく、本当に感謝しています。社員の健康を守ることも私の勤めだと思うので、検温や消毒、マスクなどの基本的な感染対策はいち早く始め、現在も徹底しています。また、地元のお茶屋さんと提携して社員用のドリンクバーを作りいつでも美味しい緑茶やハーブティを飲めるようにしたのも、お茶のカテキン効果が社員の健康に良いと考えてのことです。

そういえば、2020年の緊急事態宣言の時には全国一斉に学校が休みになりましたよね。あの時は社内にある広いホールを子ども達が過ごせる環境にし、保母さんを手配し、社員の子連れ出社をOKにしました。いきなり国から「学校は休みです」と言われて、戸惑った保護者は多かったと思うんです。そういった状況でも会社としてできることをすぐやる、それが経営者として大切なことだと思います。

私にとって、社員は全員「宝」です。今いる社員たちと一緒により良いものづくりをしたいですね。社員やその家族の多くは飛騨地域で暮らしていますから、飛騨高山という街そのものも大切です。良い環境で仕事ができることに感謝したいですね。そして、良質なマスクや綿棒を通して市民の皆様の健康を守ることができたら嬉しいです。

写真左から蓑谷さん(商品開発部)、黒川社長、中西さん(商品開発部)、金桶さん(商品開発部)

マスクの地産地消ができる街、飛騨高山。

地元産の野菜やお米を産地でいただくことを「地産地消」と言いますが、飛騨高山では綿棒やマスクも地産地消ができる。これに気づいている方は少ないかもしれませんが、綿棒発祥の地ならではだと思います。飛騨高山は、飛騨牛や家具や野菜だけじゃないんですよ(笑)。

マスクの消費が増え、皆様も様々な商品の中から選択し購入なさっていることかと思います。市民の皆様の健康を支えたいと思いながらマスクを作る我々としては、ぜひ「マスクの地産地消」「飛騨高山産のマスクがある」と知っていただきたく、最近「飛騨弁ポップ」なるものをつくってみました。機会があれば、市内にあるドラッグストアのマスクの棚をご覧ください!

社員お手製の【飛騨弁ポップ】

平和メディク株式会社 黒川友博さん、ありがとうございました。

◆平和メディク株式会社

http://www.heiwamedic.com

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淺井葉月
anoina,news. 編集長のほか、企業の採用コンサルやライター講師も行なっている。