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飛騨の野菜とナチュラルワインが楽しめるレストラン&バー「mukū(ムクー)」

高山市図書館(煥章館)から安川通りに出て、鍛冶橋方面へ左に曲がり、アーケード通りを少し下ると、左手に小さな間口のレストランが見えてきます。

目印は、ドア横の足元に並べられた洋酒の空き瓶たち。

こちらは、2021年12月8日にオープンしたmukū(ムクー)

安川通りに新しくできた野菜が主役のシンプルな料理とナチュラルワインのお店です。

こちらが店舗 木枠のガラスドアと足元の洋酒瓶が目印

mukū(ムクー)とは? ~店内の様子と店名に込められた願い~

全面ガラスのドアを開けて店内に入ると、大通りの喧騒から離れた穏やかで静寂な世界が目の前に広がります。

左手側は厨房スペース。中央にはカウンター席が奥へと連なり並んでいます。更に通路を奥へと進むと、4人用のテーブル席が一つ。

店内の様子

シンプルですっきりした店内です。

一見、新築のお店のように見えますが、天井の梁を拝見すると、そうではないことが一目瞭然。町家をリノベーションした店舗でした。

また、店内には、植物や野菜が飾られ、手作りの瓶詰食品や調理道具がそっと置かれてあり、なんだか料理上手な友達のキッチンに遊びに来たような居心地の良さを感じます。

瓶詰食品や鍋が置かれた厨房の棚

お店の名前mukū(ムクー)は、純真無垢の「無垢(むく)」「喰(く)う」、この二つの言葉を掛け合わせ、名付けられました。

無垢材の『無垢』と『喰う』。「喰う」ことで清らかになってほしいという願いを込めました。

シンプルだけど、どこかぬくもりを感じる店内。スペース全体に広がる穏やかで落ち着いた雰囲気は、この名前の通り、無垢で清廉なイメージそのものです。

『人は食で豊かになる』という言葉に導かれて、飲食店の道へ

店主の森本大地さんは、高山の出身です。

高校卒業までは地元高山で過ごし、卒業と同時に上京。20歳の頃にはオーストラリアで語学勉強をしながら、一年間、海外で暮らしました。

その後、帰国すると、今度は東京でヘアメイクの仕事に就きます。

「あの頃は、自分が飲食店をやるなんて、全然思ってもいなかったですね。」

新しい世界で着々とキャリアを積んできた森本さんでしたが、当時、お世話になったヘアメイクの師匠から『人は食で豊かになる』と教えられます。

「師匠は食に興味がある方で、いろんなお店に連れて行ってもらいました。師匠から『人は食で豊かになる』と教えられて、そこから、飲食の分野もやってみようかな…と思い始めました。」

日々、師匠と共に過ごす中で「食の大切さ」に気づいた森本さんは、東京都内の飲食店でも働き始めました。厨房などの仕事を通して料理の勉強をし、経験を積んでいきます。

撮影のため特別にマスクをはずしていただいています

いつかは高山に戻るつもりでいた森本さんは、長い準備期間を経て、昨年12月にこのお店をオープンしました。

いろんな人が集う楽しい場所を作りたい

mukū(ムクー)を開店するにあたって、森本さんが思い描いたこと。

それは、地元高山に「いろんな人が集まる楽しい場所を作る」ということでした。

世代の違いや立場の違い、身分や肩書、性別など、そうしたことに関係なく、皆さんにその場を楽しんでもらいたい…。

そんな思いから、市街地の中心部に位置するこの安川通りに、店を構えました。

テーブルの上では春の花が一足早く咲いていました

飛騨の農家さんにスポットを当てて応援したい

更に、このお店を開いた理由がもう一つあります。

「農家さんにスポットを当てたいんです。」

自分はあくまで脇役なんですよ…と話す森本さん。

「オーガニックや自然農法などをやっている農家さんが作る野菜は、流通にも乗りにくいですし、珍しいものもありますが、(値段も)高かったりするので、普通、一般的にはあまり買わないですよね。でも、そういう農家さんの野菜はすごく美味しいので、(飛騨の人に是非)知ってもらいたいと思いました。」

近年、全国的に農家の高齢化が進んでいますが、飛騨においても同じ現象が続いています。そんななか、最近は若い農家さんが少しずつ増えて、地元飛騨の農業を新たな方面から支えようとしています。

こうした飛騨の農家さんにスポットを当てるべく、安全で安心な野菜を使った料理を作り、地元のお客さんに食べていただくことで、飛騨の農家さんのことを知ってもらいた…と、森本さんは考えました。

壁に掲げられたブラックボードにはmukūに食材を提供している農園や牧場の名前が記されてありました

mukū(ムクー)では、高山市や飛騨市で農園を営んでいる農家さんと提携し、飛騨産の野菜を仕入れています。

冬季は飛騨地方の農家はお休み中のため、冬の間は他県産の食材を使っていますが、春になり農園が始まったら、また地元飛騨の農作物をふんだんに使った料理を提供する予定です。

仕入れによって、メニューも変わる。シンプルだけど豊かな料理

mukū(ムクー)には、定番のおすすめ料理はありません。

「うちは固定したメニューはないんですよ。仕入れによってメニューがころころ変わります。」

その日の仕入れによって、メニューが一新されます。

しかし、その代わりに、お子さんからお年寄りまで安心して食べられる料理であること。これがmukū(ムクー)のこだわりです。

厨房の様子

手を加えすぎることを避けて、素材の持ち味を引き出す調理を心掛けています。

農園から届けられる野菜を見ながら「どうしたら美味しく食べられるか?」を考え、メニューが決まったら、

「素材の味を生かすため、シンプルに調理しています。」

調理の時はオーブンと火力のみを使用。

どのメニューにも、産地への思いと食材への愛が込められています。全てが店主のおすすめ料理なのです。

「mukū」の料理をご紹介

「mukū」の料理をいくつかご紹介しましょう。

あんしん豚のハーブロースト with 雲仙在来種野菜

あんしん豚のハーブロースト with 雲仙在来種野菜 1800円

ビーツと金柑のマリネ◇

ビーツと金柑のマリネ 680円

トマトと赤パプリカのスープ◇

トマトと赤パプリカのスープ 750円

人参とカラー大根 柑橘のサラダ◇

人参とカラー大根 柑橘のサラダ 680円

ズッキーニと枝豆のガレット

ズッキーニと枝豆のガレット 720円

※値段は全て2022年3月現在のもの。メニューは仕入れによって流動的に変わります。

お客さんに美味しく味わっていただけるのが喜び

時々、森本さんのご両親が手伝いに入りますが、基本的には、仕入れや仕込み、調理、店の経営まで、全てを一人でこなしているため、「今はすごく大変です」と森本さんは語ります。

「ですが、お客さんから『美味しかったよ』と声をかけてもらったり、(前に来店されたお客さんが)また食べに来てくださると、ホント嬉しいですね。

オープンからまだ間がなく、今は毎日が勉強の日々とのこと。

お客さんの反応が、心の支えになっています。

飛騨の大地の恵みをいただくなら「mukū」(ムクー)へ

草木が芽吹き、新緑の季節を迎えるころには、高山でも田んぼや畑がぼちぼち始まります。今年も飛騨の各地で、美味しい農作物が育っていくことでしょう。

飛騨の大地の恵みを美味しくいただくのなら、是非、「mukū」(ムクー)へ。

きっと、あなたのお気に入りの一皿に出会えるはずです。

安川通りぶんねもん坂の途中にあります

mukū(ムクー)

【営業時間】ディナー17:30〜21:00LO /バー 21:00〜23:00close
【定休日】月・火 
【予約時の注意】営業時間中は電話に出られませんので、それ以外の時間帯にお電話ください。050-5304-4433 (予約専用電話)
【住所】岐阜県高山市馬場町2丁目70ー3
【電話】 0577-77-3411
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※新型コロナウイルスの影響により、営業時間・定休日等が変更になる場合があります。ご来店時は事前に店舗へご確認をお願いします。

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下畑恵美子
生まれも育ちも飛騨高山、飛騨弁ネイティブです。 子育てを卒業し、束の間の自由を謳歌中。 素敵な人やモノと出会い、その時の感動や情景を文章に書き表すことが好きです。