昨年、飛騨市に大学(飛騨高山大学・仮称)ができることが発表されました。それに合わせて古川駅東側も開発していくというニュースが!大学とあわせて、著名な建築家である藤本壮介氏がデザインを担当するこちら。いったいどんな場所ができるのでしょうか・・・?1/20の記者会見の情報を、anoina,がわかりやすくお伝えします!
飛騨古川駅東で、地域とつながる共創拠点を整備
建物敷地面積約23,100㎡の中には、地域の「教育」「暮らし」「余暇」を充実させることを目的に、大学の研究拠点や学生寮、全天候型の子どものための遊び場施設や商業スペースなどを建設する予定。また、広域から訪れる観光客に向け、飛騨の四季折々の自然やアート作品を楽しめるようなアクティビティを設置し、さらなる飛騨市への観光客の増加と街の回遊性向上を目指していくとのこと。
(※2022年1月現在 詳細は変更となる可能性があります)
そこで以下の3点の発表がありました。
(尚、下記についてはこちらの公式資料をもとにしています。)
①施設機能の地域への開放による地域コミュニティの創出
地域に開いたラーニングコモンズ、オープンスタジオ、ベンチャーラボ、学生用研究室、学生寮などを整備、さらにアートをテーマとしたアクティビティを併設することで、広域から多種多様な立場の人々が集まり交差することを促し、新たな地域コミュニティの創出と活性化を目指します。
②地域全体の回遊性(飛騨古川駅東エリア⇒大学本キャンパスエリア)
飛騨古川駅東エリアと飛騨高山大学(仮称)の本キャンパス予定地は、距離にして約1.7㎞、徒歩で21分程度の距離となり、飛騨市の観光中心部を包み込む配置にあります。両拠点をつなぐように人々のアクティビティを促し、街全体の回遊性を向上させることで、中心部を含めた街全体の体験価値を高めることを目指します。その方法の一つとしてデジタルデバイスの活用や脱炭素ツーリズムの在り方を検討しております。
③飛騨エリア全体の四季折々の体験を価値化する
飛騨には雄大な自然と四季折々の様々な表情があります。それらをより濃密に体験いただけるような建築空間を整備することで、飛騨の中心部のみならず、周辺に存在する自然や各種施設へ足を運びたくなるような仕掛けを施す予定です。共創拠点を起点として飛騨エリアを広域で結び、様々な四季を多くの方に体験してもらうことで飛騨エリアの体験価値の最大化を図ります。
令和6年3月完成予定!古川東駅プロジェクトの概要
●事業開発主体
飛騨古川駅東開発株式会社 代表取締役 田端一盛
●整備予定の主な施設 ※2022年1月現在(今後変更となる可能性がございます。)
・ 街中の回遊性を高める「街歩きコンシェルジュ機能」
・ 全天候型子どもの遊び場および屋外芝生広場
・ 飛騨高山大学(仮称)関連施設および交流拠点
(学生寮、ラーニングコモンズ、ベンチャーラボ、学生用研究室など)
・ 商業施設、公衆トイレなど
●本計画のスケジュール
令和4年度 1月20日 プレスリリース
春以降 駐車場関係の移転整備
夏以降 第一期工事の検討
令和5年度 4月以降 ㈱東洋工場解体および第二期工事開始
令和6年度 3月 竣工
●概要 ※変更となる可能性があります。
建物敷地面積:約21,300㎡
建築面積 :約 8,900㎡
「多様性が響き合う場所」
古川駅東プロジェクトの設計を担当する藤本壮介氏よりメッセージ
私たちはこのプロジェクトにおいて、飛騨のこれまでとこれからを象徴するような、一つの大きな風景を作ることができればと考えました。飛騨古川の駅に隣接する素晴らしい立地において、街に開かれた器(うつわ)のようなこの広場は、多様な活動を受け容れ響き合わせます。楕円形の建物は、四方八方すべての方角からアクセスすることができる解放性を備え、この場所が人々の行き交うハブとなることを期待しています。
器(うつわ)は大屋根でもあります。その下には飛騨の伝統的な都市景観からインスピレーションを得た魅力的な路地空間が行き交い、歩き回る楽しさを生み出します。
路地はそのまま大屋根広場へ連続し、視線は一気に空へと抜けていきます。
この大きな盆地のような都市広場には、多様な機能と活動が顔を出して共存し、関係し合い、それらが響き合う一つの象徴的な風景が生まれます。伝統と未来、多様性とつながり、個と多、自然と人工、開かれることと守られること。器(うつわ)は親密な一つの部屋のようでもあり、広大な丘のようでもあり、季節と共に変化しながら空を切り取るフレームでもあり、飛騨の周囲の山並みに連続していく地形でもあり、多様な活動が一堂に会する舞台でもあり、またいくつもの思いを受け止め響き合わせる楽器のようでもあります。この場所が、飛騨の新しい活動の拠点の一つとして、新設される飛騨高山大学(仮称)とも連動しながら、飛騨の魅力をより高めてくれることを期待しています。
▼藤本壮介氏プロフィール
(c) David Vintiner
1971年北海道生まれ。
東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介建築設計事務所を設立。
現在、東京とパリに事務所を擁し、国内外で幅広く活動を展開している。
2014年フランス・モンペリエ国際設計競技最優秀賞(ラルブル・ブラン)に続き、2015、2017、2018年にもヨーロッパ各国の国際設計競技にて最優秀賞を受賞。国内では、2020年、2025 日本国際博覧会の協会事務局会場デザインプロデューサーに就任。2021年には大分空港海上アクセス旅客ターミナル建設工事基本・実施設計業務 最優秀者に選定される。
主な作品に、白井屋ホテル(2020年)、L’Arbre Blanc(2019年)、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013 (2013年)、House NA (2011年)、武蔵野美術大学 美術館・図書館 (2010年)、House N (2008年) 等。
活動初期より一貫して、プライベートとパブリック、内と外、自然と人工など、一見相反する要素の「あいだ(間)」を意識した建築設計を実践している。特に近年は、建築物の設計に留まらず、建築、街、ランドスケープの溶け合いを意識したプロジェクトにも積極的に参加し、建築と社会との関係、公共性や多様性を志向した設計行為を通じ、建築の新たな可能性を探っている。
【社会的活動】
大阪府及び大阪市スーパーシティアーキテクト
特定非営利活動法人アートアンドアーキテクトフェスタ、副代表理事
一般社団法人日本建築材料協会、特別顧問
旭川市景観アドバイザー
令和6年開校予定の大学とあわせて行われる古川駅東側の開発。どんな場所になっていくのか今から楽しみですね!今後もanoina,では飛騨高山大学(仮称)の情報をお伝えしていきます。