下呂市萩原町の農協前に先日オープンしたお店「マルヤ」は、新店舗なのになんだかレトロな雰囲気。お店の中にはお洒落な洋服や、IKEA・コストコの雑貨や食品に混じって、文房具もずらり。いろいろなものが交じり合った不思議なお店なのです。今回は下呂市萩原町出身で、高山市と下呂市で美容室も経営している店長の佐藤乃之さんにこのお店をオープンした思いを教えていただきました。
子ども時代と違ってきた、街の風景に危機感
──この場所は、もともと「マルヤ」という本屋さんだったそうですね。同じ名前にされたのはどうしてなんでしょうか?
佐藤さん:「マルヤ」は、僕の世代にとっては思い出のお店で、子どものころマンガや文房具はだいたいここで手に入れていたんです。ゲームなんかもありましたね。そんな風に地元の人にとってなじみ深い場所だったので、名前もそのまま残したいと思ったんです。また、商品が並んでいる棚はこれまた萩原で育った人なら知っている「今村牛乳」さんという駄菓子屋さんからたくさん譲っていただいたきました。それに合わせ内装も少し懐かしい雰囲気にしています。
小さな頃から馴染みがあったマルヤさんも、今村牛乳さんも、残念ながら今は閉業されてしまい、お店がありません。地元のお店がどんどんなくなっていき、子どものころと街の風景が変わっていくのを目の当たりにしたことで、何か地元に貢献できることはないかと考えるようになりました。
お店にくることで「発見」があれば
──お店に並んでいる商品、バラエティ豊かで、ワクワク楽しいものが多いですね!どういったコンセプトで選ばれているんですか?
佐藤さん:もともと、高山・萩原で展開している美容室の「ガーデングループ」を経営しています。なので、美容の商品も並んでいるのですが、全体を通してのコンセプトは、お店に来ることで何か新しいものを「発見」していただけたらと考えています。IKEAやコストコなど有名だけれど飛騨から行くのが難しい場所のものも、ここで実際に手に取りスタッフと話しをする中で、何か「発見」をご提供できたら楽しいかな、と。そして発見とは違いますが、もともとのマルヤさんに置いてあった文房具なども取り扱うことで「マルヤに行けば、いつものあれがある」というニーズにも応えたいと思っています。
とはいえ「コンセプト」というよりは感覚的には地元の方の「おつかい」として、かわりに商品を仕入れている感じ(笑)ですので、こんな商品ほしいな、とお気軽にリクエストをいただけたら嬉しいです。前向きに検討します!
スタッフのチャレンジを応援
──こちらの棚は、スタッフさんのコメントがありますね。
佐藤さん:美容室とマルヤのスタッフたちにブースを提供しています。実はガーデングループはスタッフ教育の一環として、副業を支援しているんです。副業という新たなチャレンジをすることで、人としても美容師としても成長を続け、新たな視野を増やしていってほしい。小さくまとまってほしくない。そんな想いでこのブースを設けています。自分自身も、スタッフと面白いことをしながら、このマルヤでどんどんチャレンジをしていこうと思っています。オープンして間もないですが、美容室とはご来店されるお客さまも違いますし、すでに新たな発見がたくさんあって楽しいです。
人が集まる場所にしたい
── なるほど!お店、というだけでなく発見やチャレンジの場所でもあるんですね。
佐藤さん:そうですね。そして一番は人が集まる場所にしたいんです。というのも、人が集まると「思い出」が生まれると思うんです。いろんな世代の思い出に残る「街」、また帰ってきたくなるような「街」。そんな街にするために地域に貢献することのひとつとして、マルヤという「場」を使えたらな、と。今後はいろんな企画や、飲食店の展開も視野にいれ、街の人の集まる場所、思い出を共有する場所になれたらと考えています。
まだいろいろと準備途中ですが、まずは手始めに、お店の中にテーブルとイスをご用意しています。そこでスタッフとのおしゃべりなども楽しんでくださいね。
マルヤ
住所:岐阜県下呂市萩原町萩原1033−6
電話:0576-74-1300
営業時間:10:00-19:00
駐車場:農協駐車場
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